コラム実体験から得たもの 第1話

当NPOの監事をしております。サラリーマン時代にコンサルタント先生との出会いの中から教えて頂いた私の生き方に強く影響を与えた言葉をコラムに書きたいと思います。

コラム
第1話
私が30代前半の頃(今から30年ほど前)務めていた会社の社長が、あるコンサルタント先生に工場の生産性を含むあらゆる改善を依頼した時期がありました。その先生は日野自動車にトヨタ方式を導入した時のメンバーと言いました。その時務めていた会社は自動車部品の製造会社で自主的にQC活動(注:当時の製造会社では一般的な活動であった)をしていましたが、業績不振で赤字となっていました。そこで、私達がその先生の指導のもとで全社挙げての改善活動をすることになったわけです。これからその中のエピソードの一つをお話しします。

改善活動のメニューは5S,工程改善、講義受講、事務改善など多岐に渡り管理職全員がメンバーとなりました。

改善活動について先生の指導が進んできたころ、私達数人がラインの改善で生産性アップというテーマを頂きました。組み立てラインの改善(時間短縮)で生産性を上げようという試みですから、チーム(3人)で行うことになりました。コンサルタント先生の指示は絶対で、ラインを一週間で改造しろと言われ、社長の前で宣言もさせられたので、是が非でもしなくてはなりませんでした。通常は改善案の検証を踏まえて設計・製作をするので、納期はその3倍の3週間は掛かるものですが期限は1週間、チーム員は正に不眠不休で挑戦しました。自社だけでなく機材製作会社への発注も関わるもので、先方にもかなりの負荷と迷惑を掛けながら、社内はもっと大変でした。しかし、納期は絶対でしたから、ラインの見映えなど除けばどうにか期限内に仕上がりました。予定の性能はこの時点では100%までは出ていませんが今後の調整を残すばかりで、私たちは達成感、疲労感と安ど感でコンサルタント先生に報告に行きました。全員死ぬほど頑張ったのできっと褒めてもらえると思っていたところ、返ってきた言葉が「ほら!やれば出来るんだよ」でした。みんな一気に力が抜けてしまい落胆が広がってしまいました。後日コンサルタント先生は私に言いました。「褒めてやりたかったけど、褒めては普通の会社でしょう。当社は赤字の会社ですよ。死ぬほど頑張ったのが普通に感じる様にならないと御社は競争相手には勝てないのですよ。」その言葉の通り、赤字に落ちた会社の立て直しは想像以上に大変でした。このことは私の心に強く残り、その後のサラリーマン人生で大きな心の支えとなっています。

以上